台湾・十分で叶える願いの旅|ランタン飛ばしと台湾のナイアガラを巡る完全ガイド

本記事にはプロモーションが含まれています。
台湾・十分で叶える願いの旅

添乗員ライターがお届けする旅行情報。今回は、台湾北部の山間に佇む小さな町「十分(じゅうぶん/シーフェン/Shifen)」をご紹介します。

願い事を書いたランタンが夜空へと舞い上がる光景は、訪れる人々の心に深く刻まれる幻想的な体験です。台北から電車で約1時間、ノスタルジックな街並みと雄大な自然が調和する十分は、台湾旅行で必ず訪れたい特別な場所のひとつ。線路沿いに軒を連ねる商店街では、色とりどりのランタンに願いを込める人々の笑顔があふれ、少し足を延ばせば「台湾のナイアガラ」と称される壮大な滝が待っています。

目次

十分観光で知っておきたい注意点

十分は台北市内から離れた山間部に位置するため、アクセスには時間がかかります。台湾鉄道の平渓線(へいけいせん/ピンシーシェン/Pingxi Line)は本数が限られており、1時間に1〜2本程度の運行です。乗り遅れると次の電車まで長時間待つことになるため、事前に時刻表を確認しておく必要があります。

十分を通り抜ける台湾国鉄の列車
十分を通り抜ける台湾国鉄の列車

また、十分老街(じゅうぶんろうがい/シーフェンラオジエ/Shifen Old Street)は線路沿いの狭い通りに店舗が密集しているため、週末や祝日は非常に混雑します。ランタン飛ばしの際には、他の観光客との距離感に配慮が必要です。特に電車が通過する時間帯は、安全のため線路から離れなければなりません。

十分瀑布(じゅうぶんばくふ/シーフェンプープー/Shifen Waterfall)への道のりは、遊歩道が整備されているものの、階段の上り下りが多く、雨天時は滑りやすくなります。歩きやすい靴での訪問をおすすめします。また、夏季は蚊が多いため、虫除け対策も忘れずに。

天候にも左右されやすい観光地です。小雨程度であればランタン本体に油が塗られているため飛ばすことができますが、大雨の場合は水の重さでランタンが墜落してしまうため体験が難しくなります。また、強風時もランタンがうまく上がらないため、風が止むタイミングを待つ必要があります。ただし、雨天時には十分瀑布の水量が増えるため、より迫力のある滝の姿を見ることができます。晴天時と雨天時では、観光の印象が大きく異なる点も理解しておきましょう。

「十分」という地名に込められた由来

十分の地名には、興味深い由来があります。

「十分」という名前は、もともと「十份」を意味しており、かつて十戸の人家が協力し合いながらこの地に家園を築いたことに由来するといわれています。山間部の不便な場所で暮らす十戸の家族たちは、買い物などで山を下りる際、お互いのために必要な品物を代わりに購入し合うなど、助け合いながら生活していました。このような共同体として発展してきた歴史が、「十份」という地名として今日まで受け継がれているのです。

また、十分は旧称を「十分寮(じゅうぶんりょう/シーフェンリャオ)」といい、さらに古くは「十分寮庄(じゅうぶんりょうそう/シーフェンリャオジュアン)」、日本統治時代初期には「什份藔庄」とも表記されていました。清代以前は、台湾の先住民である平埔族(へいほぞく/ピンプーズー/Pingpu)のケタガラン族(凱達格蘭族/カイタゲランズー/Ketagalan)の活動地点でした。1820年(嘉慶25年)には、前汀州教諭の胡克修(こ・こくしゅう/フー・クーシウ)を首領とする「金協福墾号(きんきょうふくこんごう/ジンシエフーコンハオ)」が平溪(へいけい/ピンシー/Pingxi)の開拓を始め、十分寮を中心に広範囲な地域の開墾が進められました。

当初の産業は、大菁(たいせい/ダーチン)を栽培し藍染めの原料となる藍靛(らんでん/ランディエン)を製造することでしたが、その後は茶園へと転換され、平溪は台湾四大茶区のひとつである文山茶区(ぶんざんちゃく/ウェンシャンチャーチュー/Wenshan Tea Region)の一部として、良質なお茶の産地となりました。

黒金歳月を支えた炭鉱産業の歴史

十分の発展を語る上で欠かせないのが、炭鉱産業の歴史です。

1908年、平溪庄長(へいけいしょうちょう/ピンシージュアンジャン)の潘炳燭(はん・へいしょく/パン・ビンジュー)によって煤田(ばいでん/メイティエン)の露頭が発見されたことが、平溪地区の炭鉱産業の始まりでした。その後、日本統治時代に石炭鉱床が本格的に開発され、約60年間にわたる「黒金歳月(こくきんさいげつ/ヘイジンスイユエ)」(石炭の黄金時代)が始まります。石炭は「黒金(こくきん/ヘイジン)」(黒いダイヤ)とも呼ばれ、台湾の経済発展を支える重要なエネルギー源でした。

1918年(大正7年)、炭鉱で採掘された石炭を運び出すために、鉱業会社によって鉄道が建設されました。これが現在の平渓線の基礎となります。基隆(きーるん/ジーロン/Keelung)の鉱業家である顔雲年(がん・うんねん/イエン・ユンニエン)が平渓線鉄道の建設を進め、平溪地区での大規模な炭鉱採掘が本格的に展開されました。

平渓線沿いの各駅は、そのほとんどが炭鉱があった場所に設置されています。十分は平溪地区の炭鉱業史において最も早く開発され、最大規模を誇る聚落(しゅうらく/ジュールオ)(集落)でした。炭鉱で働く人々とその家族が集まり、活気ある町が形成されていったのです。

1970年代に入ると、輸入代替エネルギーの普及、国際価格の変動、労使紛争、鉱山災害による損失などの影響で、台湾の炭鉱産業は徐々に衰退していきました。民国60年代(1970年代)以降、平溪の炭鉱は次々と閉山し、地元住民は仕事を失い、平渓線鉄道も利用者が減少して荒廃の危機に瀕しました。

この問題を解決するため、台湾鉄路管理局(たいわんてつろかんりきょく/タイワンティエルーグァンリージュー/Taiwan Railways Administration、略称:台鉄/たいてつ/タイティエ/TRA)は平渓線を観光鉄道として再整備し、平溪地区の観光業振興へと舵を切りました。同時に、政府の宣伝やメディアの報道によって、天燈(てんとう/ティエンドン/Sky Lantern)が平溪を代表する文化として広く知られるようになり、現在の観光地としての十分が誕生したのです。

線路沿いのレトロな街並み「十分老街」

十分駅(じゅうぶんえき/シーフェンジャン/Shifen Station)を降りると、目の前には時間が止まったかのようなレトロな商店街が広がります。

十分老街は、現役の線路沿いに店舗が軒を連ねる、台湾でも珍しい光景が特徴です。炭鉱産業の歴史と平渓線の鉄道が作り上げたこの独特な街並みは、今では十分を代表する観光名所となっています。現在でも線路は活用されており、電車が通る時間以外は、線路の上を自由に歩くことができます。

十分老街にある線路への立入禁止看板
十分老街にある線路への立入禁止看板

商店街の通りは幅が狭く、両側に立ち並ぶ店舗の看板や提灯が賑やかな雰囲気を醸し出しています。伝統的な台湾の建築様式を残した木造の建物が多く、どこか懐かしさを感じさせる街並みです。

老街には、ランタン販売店をはじめ、台湾の伝統的なお菓子やお土産を扱う店、地元のグルメを提供する食堂やカフェが並んでいます。臭豆腐(しゅうどうふ/チョウドウフ/Stinky Tofu)や台湾ソーセージ、タロイモボールなど、台湾の屋台グルメを気軽に楽しめるのも魅力のひとつです。

電車が通過する瞬間は、老街のハイライトといえます。警笛が鳴ると、線路上にいた人々が両脇に避け、ゆっくりと電車が通り過ぎていく光景は、まるで映画のワンシーンのよう。この独特の風景を写真に収めようと、多くの観光客がカメラを構えます。

十分老街で天に上がっていくランタン
十分老街で天に上がっていくランタン

線路の両側には、ランタンに願い事を書く観光客の姿が絶えません。色とりどりの巨大なランタンが線路上で膨らみ、次々と空へ舞い上がっていく様子は、十分老街でしか見られない特別な光景です。

願いを天へ届ける「天燈上げ(ランタン飛ばし)」体験

十分老街でランタンの打ち上げ直前に写真撮影している観光客
十分老街でランタンの打ち上げ直前に写真撮影している観光客

十分を訪れる最大の目的は、天燈上げ(てんとうあげ/ティエンドンファン/Sky Lantern Release)、いわゆるランタン飛ばしの体験でしょう。

天燈の歴史は、約200年前の清朝時代に遡ります。当時、山間部に暮らす人々は、山賊からの襲撃を知らせるため、また平和が戻ったことを知らせるために、ランタンを空に上げて信号としていました。やがてこの習慣は、願い事を天に届ける風習へと変化し、現在の観光体験として定着しました。

十分で打ち上げた直後のランタン
十分で打ち上げた直後のランタン

ランタンは、紙でできた大きな気球のような形をしています。高さは約80センチメートルから1メートルほどあり、人の背丈に近いサイズです。ランタン本体には油が塗られているため、小雨程度であれば飛ばすことができます。ただし、大雨の場合は水の重さでランタンが墜落してしまうため、飛ばすことができません。

底部にセットする燃料の紙は、実は神様へのお金を意味しており、願いとともに天へ届けるという文化的な意味が込められています。この油紙に火をつけると、熱気で膨らみ、ゆっくりと空へ上がっていきます。

ランタンは風に弱いという特徴があります。強風のタイミングではうまく飛ばすことができませんが、風が止んだ瞬間を見計らって飛ばすことは可能です。店員さんが風の様子を見ながら、ベストなタイミングを教えてくれるので、安心して体験できます。

十分老街のランタン店の内部
十分老街のランタン店の内部

ランタンの色には、それぞれ意味があります。赤色は健康運、黄色は金運、青色は事業運、紫色は学業運、白色は明光運、オレンジ色は愛情運、緑色は順調運、ピンク色は幸福運、桃色は人気運を象徴しています。多くの店舗では、4色まで組み合わせることができるマルチカラーのランタンを提供しており、複数の願いを一度に込めることが可能です。

体験の流れは次のようになります。まず、老街に並ぶランタン販売店で好みの色を選び、筆で四方に願い事を書きます。店員さんがランタンを広げて支えてくれるので、じっくりと時間をかけて思いを綴ることができます。書き終えたら、線路の中央へ移動し、ランタンの底部に油紙をセットして点火。ランタンが熱気で膨らむまでしっかりと持ち、十分に膨らんだところで手を離すと、ゆっくりと空へ舞い上がっていきます。

十分老街で出来上がったランタンを広げる観光客
十分老街で出来上がったランタンを広げる観光客

店員さんが写真や動画の撮影をサポートしてくれるため、両手でランタンを持ちながら、最高の瞬間を記録に残せます。ランタンが視界から消えるまで見送る時間は、感動的な体験となるでしょう。

十分では一年中、毎日ランタン飛ばしを楽しむことができます。昼間は青空に映えるカラフルなランタンを、夕暮れ時には茜色の空に浮かぶ幻想的な光景を、そして夜は闇夜に輝く無数の灯りを眺めることができます。特に夕暮れ時から夜にかけての時間帯は、最もロマンチックな雰囲気が漂います。

十分老街と空を飛ぶ2つのランタン
十分老街と空を飛ぶ2つのランタン

また、旧正月の時期には「平渓天燈祭(へいけいてんとうさい/ピンシーティエンドンジエ/Pingxi Sky Lantern Festival)」という大規模なランタン祭りが開催されます。数千個のランタンが一斉に夜空へ放たれる光景は圧巻で、世界中から観光客が集まる一大イベントです。

十分老街周辺の魅力的なスポット

十分老街の周辺には、いくつかの魅力的な観光スポットがあります。

十分駅から徒歩約5分の場所には、「静安吊橋(せいあんつりばし/ジンアンディアオチャオ/Jing’an Suspension Bridge)」があります。全長128メートルのこの吊り橋は、1947年に建造され、もともとは石炭を運搬するために使われていました。炭鉱の閉山後、歩行者専用の吊り橋として整備され、現在は十分里と南山里を結ぶ重要な連絡橋となっています。

白と水色に塗られた橋は、レトロな雰囲気が漂い、撮影スポットとしても人気です。吊り橋の上からは基隆河の渓谷美を眺めることができ、老街の方角を見渡すこともできます。タイミングが合えば、ランタンが空に舞い上がる様子を遠くに見ることもできるでしょう。

十分老街周辺には、この静安吊橋をはじめ、いくつかの吊り橋が架かっており、それぞれ異なる景観を楽しむことができます。老街散策と合わせて、吊り橋巡りも十分観光の楽しみのひとつです。

台湾最大級のカーテン滝「十分瀑布」

台湾最大級の滝「十分瀑布(シーフェンプープー)」
台湾最大級の滝「十分瀑布(シーフェンプープー)」

十分駅から徒歩約20〜30分の場所に、台湾最大級の滝「十分瀑布」があります。

十分瀑布は、幅約40メートル、落差約20メートルの壮大なカーテン型の滝です。その雄大な姿から「台湾のナイアガラ」とも呼ばれ、基隆河(きーるんが/ジーロンホー/Keelung River)の上流に位置する十分風景區(じゅうぶんふうけいく/シーフェンフォンジンチュー/Shifen Scenic Area)のシンボル的存在となっています。

滝への道のりは、十分瀑布公園(じゅうぶんばくふこうえん/シーフェンプープーゴンユエン/Shifen Waterfall Park)として整備されています。2014年に新北市(しんほくし/シンベイシー/New Taipei City)の管理となり、入場料は無料です。公園の入口からは、緑豊かな遊歩道が続き、渓谷沿いを歩きながら自然を満喫できます。

道中には「観瀑吊橋(かんばくつりばし/グァンプーディアオチャオ/Guanpu Suspension Bridge)」という吊り橋があります。この吊り橋を渡る際、眼下に広がる渓谷の景色や、タイミングが合えば眼鏡洞瀑布(めがねどうばくふ/イエンジンドンプープー/Yanjingdong Waterfall)も眺めることができます。

十分にある観瀑吊橋
十分にある観瀑吊橋

滝に近づくと、水が流れ落ちる轟音が聞こえてきます。展望台は複数設けられており、正面からの眺め、側面からの眺め、そして上部からの眺めと、さまざまな角度から滝の迫力を体感できます。

特に見応えがあるのは、正面の展望台です。カーテンのように幅広く流れ落ちる滝の全景を目の前にすると、その規模に圧倒されます。水しぶきがミストとなって辺りに広がり、晴天時には虹がかかることもあります。マイナスイオンを全身で感じながら、自然の雄大さに癒される時間を過ごせるでしょう。

滝の水量は季節や天候によって変化します。雨季には水量が増し、より迫力のある姿を見せますが、乾季には穏やかな流れとなります。どちらの表情も魅力的ですが、初めて訪れるなら水量の多い時期がおすすめです。

公園内には東屋やベンチも設置されており、滝を眺めながら休憩することができます。往復で約1時間から1時間半ほどの散策コースとなるため、時間に余裕を持って訪れましょう。

十分瀑布公園の開園時間は季節によって異なります。夏季(6月1日から9月30日)は9時から18時まで(最終入園17時30分)、冬季(10月1日から5月31日)は9時から17時まで(最終入園16時30分)となっています。

平渓線で巡る周辺の魅力的なスポット

十分は、平渓線沿いに点在する観光地のひとつです。時間に余裕があれば、周辺の駅にも足を延ばしてみましょう。

平渓線の終点「菁桐(せいとう/ジントン/Jingtong)」駅は、日本統治時代の面影を色濃く残す駅舎が特徴です。木造駅舎は当時の姿を保っており、ホームには願い事を書いた竹筒がたくさん吊るされています。駅周辺には、炭鉱資料館や昔ながらの商店が並び、のんびりとした時間が流れています。

「平溪」駅周辺も、静かな雰囲気の老街が広がっています。十分ほど混雑していないため、ゆったりと散策を楽しみたい方におすすめです。毎年旧正月の時期には、ここでもランタン祭りが開催されます。

また、平渓線の乗車自体も、ローカル線ならではの情緒を味わえる体験です。1〜2両編成の小さな列車が、山間部をゆっくりと走る様子は、まるで時間旅行をしているかのよう。車窓からは、緑豊かな自然や素朴な集落の風景を眺めることができます。

平渓線の一日乗車券(いちにちじょうしゃけん/イーリーチョウヨウチュエン/One Day Pass)を購入すれば、複数の駅を自由に巡ることができます。各駅で降りて散策し、次の列車で移動するという旅のスタイルは、台湾の田舎の魅力を深く知る絶好の機会となるでしょう。

九份と十分を一日で巡るモデルコース

台湾旅行で人気の高い「九份(きゅうふん/ジョウフェン/Jiufen)」と十分は、一日で両方を訪れることができる距離にあります。

効率的に巡るなら、午前中に十分を訪れ、午後から夕方にかけて九份へ移動するルートがおすすめです。十分でランタン飛ばしと滝の観光を楽しんだ後、瑞芳駅(ずいほうえき/ルイファンジャン/Ruifang Station)を経由して九份へバスで向かいます。九份では、日が暮れて提灯に灯りがともる幻想的な夜景を楽しむことができます。

逆に、九份の朝の静かな街並みを散策してから十分へ移動し、夕暮れ時の十分でランタン飛ばしを体験するというルートも魅力的です。時間帯によって異なる表情を見せる両スポットを、好みに合わせて組み合わせましょう。

ただし、公共交通機関を利用する場合、移動時間や待ち時間を考慮する必要があります。特に平渓線は本数が限られているため、事前に時刻表を確認し、計画的に行動することが大切です。

時間に余裕がない方や、移動の手間を省きたい方には、効率的に複数のスポットを巡れる観光ツアーの利用も選択肢のひとつです。

十分へのアクセス方法

台北から十分へのアクセスは、主に台湾鉄道を利用します。

まず、台北駅(たいほくえき/タイベイジャン/Taipei Main Station)から台湾鉄道(台鉄)に乗り、「瑞芳」駅へ向かいます。台北から瑞芳までは、特急で約40分、区間車(くかんしゃ/チュージエンチョー/Local Train)(各駅停車)で約1時間です。

九份の玄関口である瑞芳駅
九份の玄関口である瑞芳駅

瑞芳駅に到着したら、同じホームまたは近くのホームから平渓線に乗り換えます。平渓線は、瑞芳駅を起点に山間部へと延びるローカル線で、十分駅までは約25〜30分の乗車です。

平渓線は本数が少なく、1時間に1〜2本程度の運行です。瑞芳駅で次の平渓線を長時間待つことになる場合もあるため、台北駅を出発する前に、接続時間を考慮したスケジュールを組むことをおすすめします。

また、瑞芳駅や十分駅では、タクシーやバスを利用して十分瀑布へ直接アクセスすることも可能です。複数人での移動や、時間を有効に使いたい場合は、これらの手段も検討してみましょう。

十分観光をさらに充実させるために

十分観光を最大限に楽しむためには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。

まず、十分老街では現金が必要です。多くの店舗がクレジットカードに対応していないため、事前にATMで台湾ドル(たいわんドル/タイビー/TWD)を引き出しておくと安心です。ランタンの料金は、単色で100〜150台湾ドル、4色で150〜200台湾ドル程度が相場です。

服装については、歩きやすい靴が必須です。十分瀑布への道のりは階段が多く、老街も舗装状態が良くない場所があります。また、ランタン飛ばしの際に服が汚れる可能性があるため、カジュアルな服装がおすすめです。

天候対策も重要です。山間部のため、天気が変わりやすく、急な雨に見舞われることもあります。折りたたみ傘やレインコートを持参すると安心です。また、夏季は日差しが強いため、帽子や日焼け止めも忘れずに。

老街には食事処がいくつかありますが、選択肢は限られています。しっかりとした食事を希望する場合は、台北市内で済ませるか、瑞芳駅周辺で食事をしてから訪れることをおすすめします。

十分老街で強風にあおられたランタンを慌てて掴む店員
十分老街で強風にあおられたランタンを慌てて掴む店員

ランタン飛ばしの際は、風の状況に注意しましょう。ランタンは風に弱いため、強風の日はうまく上がらないことがあります。ただし、風が一時的に止んだタイミングを見計らって飛ばすことは可能です。店員さんが風の様子を観察しながら、最適なタイミングを教えてくれるので、アドバイスに従って体験を楽しんでください。また、小雨であればランタン本体に油が塗られているため問題ありませんが、大雨の場合は水の重さでランタンが墜落する可能性があります。

また、十分は自然豊かな環境のため、虫が多い時期もあります。特に夏季は蚊やアブが発生しやすいため、虫除けスプレーを携帯すると快適に過ごせます。

線路×市場の光景に魅了されたら、タイのメークロン市場もおすすめ

十分老街の線路沿いに広がる市場の光景に魅了された方には、タイ・バンコク近郊にある「メークロン市場(Maeklong Railway Market)」もおすすめです。

メークロン市場は、タイ国鉄メークロン駅の手前、線路沿い両脇で開かれている地元民向けの市場で、別名「タラート・ロム・フープ(傘を閉じる市場)」と呼ばれています。1日8回、列車が通るたびに店のテントやパラソルをたたんで列車を避け、列車が通り過ぎると再びテントを広げて商売を再開するという、世界的にも珍しい光景が見られます。

十分老街では線路の上を自由に歩けますが、メークロン市場では露店の約50センチ手前、人が立つギリギリの場所を列車が通過する迫力満点の瞬間を体験できます。バンコクから南西に約70キロ、日帰りで訪れることができる人気観光スポットです。

線路と人々の生活が交錯する独特の光景は、十分とメークロン市場の両方に共通する魅力。アジアの鉄道文化と地元の暮らしが融合した、他では見られない特別な体験を求める方は、ぜひメークロン市場の記事もチェックしてみてください。

台湾旅行を快適に楽しむためのヒント

台湾は親日的な国として知られ、日本人旅行者にとって訪れやすい国のひとつです。

言語については、英語が通じる場所もありますが、地方では台湾語や中国語が主流です。簡単な中国語のフレーズを覚えておくと、現地の人とのコミュニケーションがよりスムーズになります。スマートフォンの翻訳アプリも活用しましょう。

台湾の公共交通機関は便利で、台北市内ではMRT(えむあーるてぃー/ジエユン/Metro)(地下鉄)が網羅しています。悠遊カード(ゆうゆうカード/ヨウヨウカー/EasyCard)という交通系ICカードを購入すれば、電車やバス、コンビニでの買い物にも利用でき、大変便利です。

食事については、台湾料理は日本人の口に合うものが多く、夜市(よいち/イエシー/Night Market)や屋台での食べ歩きも楽しみのひとつです。小籠包(しょうろんぽう/シャオロンバオ/Xiaolongbao)、魯肉飯(るーろーはん/ルーロウファン/Braised Pork Rice)、タピオカミルクティーなど、本場の味をぜひ堪能してください。

治安は比較的良好ですが、観光地ではスリや置き引きに注意が必要です。貴重品は肌身離さず持ち歩き、人混みでは特に警戒しましょう。

台湾の気候は、亜熱帯から熱帯にかけての地域に属し、一年を通して温暖です。夏季(5月〜9月)は高温多湿で、台風シーズンでもあります。冬季(12月〜2月)は比較的過ごしやすい気候ですが、北部では時折雨が降ります。訪問時期に応じた服装と準備を心がけましょう。

心に残る台湾旅行へ、今すぐ計画を始めましょう

十分の魅力は、願いを込めたランタンが空へ舞い上がる幻想的な体験と、台湾最大級の滝が織りなす雄大な自然の両方を味わえることです。線路沿いのレトロな街並みを歩き、地元のグルメを楽しみ、平渓線のローカル列車に揺られる時間は、台湾の素朴で温かい魅力を存分に感じられる貴重なひとときとなるでしょう。

十分老街と空を飛ぶのランタン
十分老街と空を飛ぶのランタン

台北から日帰りで訪れることができる十分は、台湾旅行の行程に組み込みやすい観光地です。九份と合わせて巡れば、一日で台湾北部の二大人気スポットを制覇することも可能です。

台湾への旅行を検討されているなら、十分は必ず訪れていただきたい場所のひとつです。願いを書いたランタンが空へ上がっていく瞬間、きっとあなたの心にも特別な思い出が刻まれることでしょう。

台湾旅行をより充実したものにするために、航空券とホテルがセットになったダイナミックパッケージの利用がおすすめです。個別に手配するよりもお得な料金で、自由度の高い旅行プランを組むことができます。

JALパック ダイナミックパッケージなら、台湾への旅がもっと身近に。

航空券とホテルを自由に組み合わせて、あなただけの台湾旅行を実現できます。安心のJALグループで、快適な空の旅をお楽しみください。フライト時間も選べるため、十分や九份での滞在時間をたっぷりと確保できます。

台湾・台北(たいぺい/タイペイ/Taipei)への旅行は、今すぐジャルパック ダイナミックパッケージでご予約を。思い立ったら、願いを叶える旅へ出発しましょう。

👉 JALパック 台湾ダイナミックパッケージを今すぐチェック

あなたの台湾旅行が、心に残る素晴らしい思い出となりますように。十分の空へ舞い上がるランタンのように、あなたの願いが叶うことを願っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次