添乗員ライターがお届けする海外旅行情報。今回は台湾旅行で絶対に外せない台北夜市の魅力を徹底解説します。夜市って最近日本でも話題で、各地で夜市と名乗った飲食店が増えていますね。でもやっぱり、本場の夜市がいちばん。今回はそんな台北の夜市について、取り上げたいと思います。
はじめに|台北夜市が台湾旅行で必須な理由
台湾旅行を計画している皆様、台北の夜市は単なる観光スポットではありません。現地の人々の生活に根差した文化の宝庫であり、本格的な台湾グルメを手軽に楽しめる究極のエンターテイメント空間なのです。

夜が更けるにつれて活気を増す台北の街。煌々と光る屋台の明かり、香ばしい匂いが漂う通り、地元の人々と観光客が入り混じって作り出す独特の雰囲気は、まさに台湾の魂そのものです。初めて台湾を訪れる方にとって、夜市体験は台湾文化を理解する最高の入り口となるでしょう。
台北夜市の現実|観光客が直面する3つの課題

しかし、台北夜市デビューには避けて通れない困難があることも事実です。
言語の壁による注文の困難
多くの屋台では中国語(北京官話)や台湾語が主流で、英語や日本語が通じない場合が少なくありません。せっかく美味しそうな料理を見つけても、注文方法が分からずに諦めてしまう観光客を数多く見てきました。特に人気店では行列ができており、注文に手間取ると後ろの人に迷惑をかけてしまう心配もあります。
衛生面での不安

屋外で営業する屋台という性質上、日本の食事環境とは異なる衛生基準に不安を感じる方も多いでしょう。水道設備や冷蔵設備が限られる中で調理される料理に対して、食中毒のリスクを心配される声をよく耳にします。
選択肢の多さによる迷い
台北には100を超える夜市があり、それぞれに特色があります。限られた滞在時間の中で、どの夜市を選べば満足できる体験ができるのか判断に迷う方が大半です。
台北夜市の魅力|なぜ世界中から観光客が集まるのか
これらの課題があるにも関わらず、台北夜市が世界中の旅行者を魅了し続ける理由があります。
本格台湾グルメを破格の価格で堪能できる
台北の夜市では、高級レストランで提供される品質の台湾料理を、わずか数十台湾ドルで味わうことができます。小籠包、牛肉麺、タピオカミルクティー、胡椒餅など、台湾を代表するグルメの多くが夜市で誕生し、今なお進化を続けています。

特に注目すべきは、ミシュランガイド台北版で「ビブグルマン」(価格に見合う価値のある料理)に選出された屋台が複数存在することです。世界基準で認められた味を、驚くほどリーズナブルな価格で楽しめるのは台北夜市ならではの特権といえるでしょう。
台湾文化の生きた博物館
夜市は台湾の庶民文化が凝縮された空間です。地元の人々の日常的な食事風景、家族連れの憩いの場、友人同士の集いの場として機能しており、観光地化された場所では決して味わえない、リアルな台湾を体感できます。

屋台の店主との何気ない会話、隣で食事をする台湾の人々との交流、子どもたちが駆け回る賑やかな光景など、人と人とのつながりを感じられるのも夜市の大きな魅力です。
添乗員厳選|台北3大夜市の徹底比較ガイド
長年台湾ツアーに携わってきた経験から、初心者の方に最もおすすめできる3つの夜市をご紹介します。
1. 士林夜市(シーリン夜市)|台北最大級の総合エンターテイメント夜市

基本情報
- 住所: 台北市士林区大東路、大南路周辺
- 営業時間: 15:00~翌2:00(店舗により異なる)
- アクセス: MRT淡水信義線「劍潭駅」1番出口から徒歩約3分
士林夜市の特徴
台北で最も有名で規模の大きい夜市として、観光客の約8割が訪れる定番スポットです。地上エリアと地下美食街の二層構造になっており、400を超える店舗が軒を連ねています。

地上エリアは雑貨、衣料品、ゲームコーナーが中心で、縁日のような賑やかな雰囲気を楽しめます。地下美食街は冷房完備の快適な環境で、清潔な環境で台湾グルメを味わえるため、衛生面が気になる方には特におすすめです。
士林夜市の必食グルメ
豪大大雞排(ホーダーダージーパイ) 手のひらサイズを超える巨大フライドチキンで、士林夜市の代名詞的存在です。外はカリカリ、中はジューシーな食感で、台湾独特のスパイスが効いた味付けが特徴。1枚で十分お腹が満たされるボリューム感も魅力です。

大腸包小腸(ダーチャンバオシャオチャン) 台湾風ホットドッグとも呼ばれる名物料理。もち米で作られた腸詰めに台湾ソーセージを挟み、ピーナッツ粉、パクチー、ニンニクなどの薬味をトッピングします。独特の食感と深い味わいが癖になる一品です。
蚵仔煎(オアジェン) 牡蠣入りお好み焼きは台湾夜市の定番中の定番。新鮮な牡蠣をふんだんに使用し、卵とデンプンで焼き上げた生地にもやし、青菜を加えます。甘辛いソースとの相性は抜群で、海の幸の旨味を存分に味わえます。

士林夜市がおすすめな人
- 初めての台湾旅行で王道を体験したい方
- 大規模な夜市で多様な選択肢を楽しみたい方
- 家族連れやグループ旅行の方
- エアコンの効いた環境で食事をしたい方

2. 寧夏夜市(ニンシャー夜市)|グルメに特化した老舗の名店街

基本情報
- 住所: 台北市大同区寧夏路
- 営業時間: 18:00~翌2:00
- アクセス: MRT淡水信義線「雙連駅」1番出口から徒歩約8分、またはMRT松山新店線「中山駅」5番出口から徒歩約8分
寧夏夜市の特徴
1910年に始まった台北で最も歴史の古い夜市の一つで、約400メートルの通りに老舗屋台が集中しています。規模は士林夜市より小さいものの、グルメの質と密度では他の追随を許さない美食の聖地です。

地元の人々に愛され続けてきた老舗が多く、三世代にわたって受け継がれてきた伝統の味を守る店も少なくありません。観光客慣れした店主が多く、片言の日本語や英語でコミュニケーションを取ってくれる親しみやすさも魅力です。
寧夏夜市の必食グルメ
方家雞肉飯(ファンジアジーロウファン) 1979年創業の老舗で、台湾人のソウルフード「雞肉飯」の名店として知られています。じっくり煮込んだ鶏肉を細かく裂き、特製のタレで味付けしてご飯にのせたシンプルながら奥深い味わい。地元の人々が毎日のように通う庶民の味です。
劉芋仔香腸(リウユーザイシャンチャン) 50年以上の歴史を持つ香腸(台湾ソーセージ)専門店。豚肉に台湾米酒と砂糖を加えて作る甘めの味付けが特徴で、炭火でじっくり焼き上げた香ばしさは絶品。一度食べたら忘れられない台湾の味です。
賴記雞蛋蚵仔煎(ライジージーダンオアジェン) 寧夏夜市で40年以上愛され続ける蚵仔煎の名店。新鮮な牡蠣をたっぷり使い、卵との絶妙なバランスで仕上げた一品は、多くの美食家が絶賛する逸品です。秘伝のソースとの組み合わせも見逃せません。
寧夏夜市がおすすめな人
- 本格的な台湾グルメを味わいたいグルメ愛好家
- 地元の雰囲気を重視する方
- 短時間で効率よく複数の名店を回りたい方
- 比較的落ち着いた環境で食事を楽しみたい方
3. 饒河街観光夜市(ラオフージエ夜市)|アクセス抜群の絶景夜市

基本情報
- 住所: 台北市松山区饒河街
- 営業時間: 17:00~翌1:00
- アクセス: MRT松山新店線「松山駅」1番出口直結
饒河街観光夜市の特徴
全長約600メートルの通りに約300の店舗が並ぶ、1987年に台北市政府によって正式に認定された観光夜市です。最大の特徴は、MRT松山駅に直結しているアクセスの良さと、基隆河沿いという立地による美しい夜景です。
夜市での食べ歩きを楽しんだ後、隣接する彩虹橋(レインボーブリッジ)や河岸公園で美しい夜景を眺めながら休憩できるのは、他の夜市にはない魅力です。また、ミシュランガイド台北版に掲載された店舗が複数あることでも注目を集めています。
饒河街観光夜市の必食グルメ

福州世祖胡椒餅(フージョウシーズーフージャオビン) ミシュランガイド台北版「ビブグルマン」掲載店として世界的に有名になった胡椒餅専門店。炭火窯で焼き上げる餅皮の香ばしさと、豚肉とネギを胡椒で味付けした具材の絶妙なハーモニーは、一度食べたら忘れられない味です。常に行列ができる人気店ですが、その価値は十分にあります。
東發號(ドンファーハオ) 1960年創業の老舗で、台湾風肉まん「包子」の名店として地元の人々に愛され続けています。手作りの皮に包まれた肉餡は、豚肉の旨味と調味料のバランスが絶妙。蒸したての熱々を頬張る瞬間は至福の時間です。
陳董藥燉排骨(チェンドンヤオドゥンパイグー) 漢方薬材を使って煮込んだ排骨(スペアリブ)スープの専門店。當歸、川芎、黄耆などの薬膳素材をブレンドしたスープは、疲労回復と滋養強壮効果が期待できる台湾の伝統料理です。薬膳の苦味は全くなく、深いコクのあるスープは日本人の口にもよく合います。
饒河街観光夜市がおすすめな人
- 駅直結のアクセスを重視する方
- 夜景と夜市を両方楽しみたい方
- ミシュラン掲載店の味を体験したい方
- 比較的コンパクトな夜市を希望する方
台北夜市攻略|添乗員直伝の成功のコツ

最適な訪問時間
平日の19:00~21:00、週末の18:00~20:00が最もバランスの良い時間帯です。この時間であれば適度な活気がありながら、極端な混雑は避けられます。22:00以降は地元の人々の比率が高くなり、よりローカルな雰囲気を楽しめますが、一部の店舗は閉店し始めるため注意が必要です。
予算の目安

一人当たり800~1,200台湾ドル(約3,600円~5,400円)を目安にしてください。これで主要グルメ5~7品とドリンク2~3杯を楽しむことができます。現金のみの店舗が多いため、事前に両替を済ませておくことをおすすめします。
注文のコツ

- 指差し注文を活用: メニューの写真や実物を指差しながら「這個(ジェイガー)」(これください)と言えば通じます。
- 数量は手で表現: 人差し指1本で1個、2本で2個を表現すれば確実です。
- テイクアウトかイートインかを明確に: 「內用(ネイヨン)」でイートイン、「外帶(ワイダイ)」でテイクアウトです。
衛生面での注意点

- 人気店や回転率の高い店舗を選ぶ
- 作り置きではなく、注文後に調理する店を優先する
- 生ものや生水は避け、十分に加熱された料理を選ぶ
- ペットボトルの水やお茶を持参する
まとめ|台北夜市で最高の台湾旅行体験を

台北の夜市は、台湾文化の精髄を体感できる貴重な場所です。言語の壁や衛生面の不安はありますが、事前の準備と適切な知識があれば、必ず素晴らしい体験となるでしょう。
士林夜市の圧倒的なスケール感、寧夏夜市の老舗グルメの深い味わい、饒河街観光夜市のアクセシビリティと美しい夜景。それぞれに異なる魅力があり、時間が許すなら全ての夜市を体験していただきたいところです。
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